REITの投資尺度197

REITの投資尺度

(5)FF0倍率アメリカではREITの投資尺度として、前述したFFOの株価倍率(=株価÷1株当りのFFO=REIT時価総額÷FFO)がよく利用されています。ゴールドマンサックス証券のレポート「証券化後の不動産市場パート2(2000年10月26日付け)」では、アメリカの主要REITのFFO倍率は概ね8~9倍と報告されています。設定キャップレート、LTV、借入金利、FFOの配当率などの変化によって、このFFO倍率は変化しますが、日本では10倍は必要だろうと推測されています。さらに現況では、ファンドの規模は1,00億円程度を必要とするだろうと述べています。この根拠として、ファンドの時価総額は①資産のキャッシュフロー合計、②借入総額と金利、③FFO倍率の3つのファクターによって決まってくることを挙げ、ファンドの資産規模が小さくても大きすぎても問題が発生することが解説されています。たとえば、FFO倍率が10倍のとき、利回りは10%となります。また、一般的な“不動産投資利回りは6%”という固定概念からすれば、FFO倍率はその逆数の16.7倍は必要になります。日本の国債(10年もの)金利が2%を切っている現在の金融環境からすれば、FFO倍率は20倍(利回りは5%)でもよしとする場合もあるでしょう。ただし、FFOの算出式からもわかるように、金利の上昇に伴って営業利益、つまり賃料等のキャッシュフローを増加させることが実現できるかという課題に直面します。不動産の投資期間が短期ではない以上、日本の低金利は近い将来、上昇することが予想されます。したがって、借入金や投資法人債で資金調達を行っている不動産ファンドは、特にFFOの成長、つまり「賃料の上昇」や「賃料総額の増額」が必要になってきます。投資尺度の変化、あるいは金融環境の変化によって、このFFO倍率も一定の倍率でよいとはいえません。また、FFOの構成要素を変えるケースもありますし、FFO倍率そのものが他の競合商品による影響を受けることも考えられます。

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